アルマイト処理
当社アルマイト技術の特徴
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全自動のアルマイト処理ラインで膜厚・硬度の管理をしているため処理条件の変動が少ない。
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複雑形状品は手作業ラインで対応可能
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他社で処理した製品も剥離再処理が可能
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全自動ラインと手作業ラインの組み合わせで試作・小ロット、短納期対応に柔軟対応
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ほぼすべてのアルミ材質に処理が可能
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ダイカスト製品や鋳物へのアルマイトも可能
全自動ライン
コンピュータ管理の自動ラインで、処理条件の変動が少なく、膜厚、硬度の繊細な管理が可能です。
手作業ライン
全自動では対応できない複雑形状品や小ロットの製品は手作業にて処理いたします。
アルマイト処理
アルマイト(陽極酸化)処理とは?
アルミニウム及びアルミニウム合金の表面に酸化皮膜を作る処理です。陽極酸化処理とも言います。
アルミニウムを特殊な溶液中に浸し、陽極(+極)で電解処理することで人工的に酸化皮膜(アルミの酸化物)を生成させることができます。製品を薬品に浸す際に、用いる治具との接点を極力減らしたり外観から見えにくい位置に接点を取ることで、完成品がキレイに仕上がります。
当社では、製品に合わせて治具の内製を行うこともできますので、より接点が目立たない仕上がりが可能です。
アルミ製品のサビ防止や強度向上に
アルミは切削や加工がしやすく、様々な製品に使用されています。一般的には錆びにくく耐食性が良いと言われますが、当然環境によっては化学反応で腐食することもあるため、アルマイト処理が必要となります。
アルマイト処理をすることで、アルミの耐食性や耐摩耗性、強度の向上が可能となります。また、装飾品の美観目的で用いられることもあります。
お客様の課題解決事例
複雑形状品へ手作業ラインで均一な膜厚
- お客様の課題
- 光学製品に使う部品の内部構造が螺旋状になっており、内部まで艶消し処理がかからない部分が発生したことで光の乱反射がおこる。
- 課題解決のポイント
- 全自動の機械では対応できない調整を手作業ラインにて行いました。
製品内部の複雑形状品にも均一な膜厚のアルマイト処理を行うことができ、不良を解消しました。
アルマイト処理の仕様
対応素材 | A1000系 A2000系 A5000系 A6000系 A7000系 ダイカスト製品 鋳物 |
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ワーク最大寸法(自動機) | W1500 × L700 × H150 (たたみ1畳分程度) |
ワーク最大寸法(手動処理タンク) | W300 × L400 × H10 (板材参照) |
その他サイズについてはご相談ください。 |
アルマイトの皮膜には無数の穴が開いており、汚染や腐食を防ぐためにはこの穴を塞ぐ必要があります。(これを封孔処理と呼びます)春日井アルマイト工業では3つの方式を採用しております。
- 1.加圧封孔は、水蒸気のみを使用する封孔方法なので、金属イオンを嫌う半導体関連部品や医療機器、食品衛生関係などデリケートなアルミ製品にも適しています。化学薬品を使わないため環境にも優しい封孔方法です。また、加圧封孔後に部分的に追加工した部品に別の処理(別の色)を行う「二次アルマイト」も可能です。
- 2.薬品封孔は、広く一般的に使われており、金属塩(主にニッケル)を含む、市販の薬剤を用いるため安価に処理できる封孔法です。特に、黒アルマイトなど、カラー製品の染色品に適しております。
- 3.沸騰水封孔は、沸騰した純水中に浸漬するシンプルな封孔法です。薬剤を使わず安価に早くアルマイト処理をしたい場合に用います。ただし、封孔力が弱く汚染されやすいデメリットがあります。
※その他、希望に応じて、封孔していない「未封孔品」としての出荷もできます。
硬質潤滑アルマイト(タフラム処理相当品)
優れた耐摩耗性と摺動性を実現
硬質アルマイト処理をし、その上からフッ素樹脂を含浸させる処理で、タフラム処理に相当する処理方法です。
耐摩耗性や摺動性の向上の他、耐海水性、耐食性、非粘着性、耐熱性、電気絶縁性など様々な優れた特徴があります。
採用実績分野
潤滑アルマイトは主に摺動性が必要な部分に採用されています。
・ギア
・機械が噛み合う部分の部品
・釣具
・ロボット分野
硬質潤滑アルマイト(タフラム処理相当品)の仕様
対応素材 | A1000系 A2000系 A5000系 A6000系 A7000系 A8000系 ダイカスト製品 鋳物 |
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ワーク最大寸法 | W00 × L00 × H00 (たたみ1畳分程度) |
カラーアルマイト
定番の黒アルマイト・白アルマイト
黒色アルマイトは光学部品などによく使われ、要望の多い色味です。白色アルマイトは厳密にはシルバーに近い色味になります。当社のカラーアルマイトは黒、白ともに「仕上がりが良い」とお客様からの評価を頂いております。
ご要望のカラーにアルマイト
処理に使う薬品の違いや、表面仕上げ(ブラスト梨地、艶消し、化学研磨など)の違いで、あらゆる色あいに仕上げることが可能です。色見本についてはお問い合わせ下さい。
ツートンカラー
当社の硬質アルマイト仕上げの製品にもカラーアルマイトが可能です。また、ツートンカラーに仕上げることもです。2色以上の組み合わせもご相談下さい。
お客様の課題解決事例
ツートンカラーアルマイトの色抜け防止
- お客様の課題
- 二次アルマイト(ツートンカラーアルマイト)をする際に一次アルマイトをした部分の色抜けが発生したり、色が薄くなったりする。
- 課題解決のポイント
- ツートンカラーアルマイト製品への加圧蒸気封孔の応用により、色抜けや色ムラを防止し、装飾性を保つ製品に仕上げました。
シュウ酸(蓚酸)アルマイト
耐候性に優れ、色あせない
シュウ酸を主成分とした溶液中で陽極酸化処理(アルマイト)を行うと、黄色系の被膜を生成します。この自然発生した黄色系は耐候性に優れており、大気中で退色することはありません。
耐摩耗性や耐食性の機能性向上
シュウ酸アルマイト処理は耐摩耗性が非常に高く(JIS規定の3倍以上)、耐食性や耐アルカリ性(耐薬品性)、も高く、表面の粗さの変化も少ないので、機能性を重視したアルミ製品によく用いられます。
また、微細なクラックも少ないため、耐電性・耐熱性が高く、摺動性も良好なため、半導体関連や医療関係、自動車部品への表面処理に適しています。アルミ展伸材(1000系・5000系)の場合薄膜においても、硬度Hv450以上の超硬質アルマイトが可能です。
シュウ酸アルマイト処理の仕様
A1050 | A5052 | A6061 | JIS:H8601 | |
皮膜厚さ (μm) |
15.0~18.0 | 15.0~18.0 | 15.0~18.0 | H8601:AA15 15μm以上 |
ビッカース硬さ (表面度)Hv=0.05 |
400~450 | 400~450 | 380~400 | H8603:2種-(b) Hv=300以上 |
キャス試験 32時間(RN) |
10 | 9.8 | 9.8 | H8601:AA15相当 RN=9以上 |
キャス試験 56時間(RN) |
9.8 | 9.5 | 9.3 | H8601:AA20相当 RN=9以上 |
キャス試験 72 時間(RN) |
9.8 | 9.3 | 9 | H8601:AA25相当 RN=9以上 |
起電力式アルカリ 耐食性試験 |
214 | 277 | 136 | H8601:AA15相当 75s以上 |
往復運動平面摩耗試験(ds/μm) | 67 | 40 | 30 | H8601:AA15相当 30ds/μm以上 |
噴射摩耗試験(s) | 44 | 39 | 38 | H8601:AA15相当 36s以上 |
封孔処理
処理後の腐食を防ぐ加圧水蒸気封孔
アルマイト皮膜には無数の穴が開いており、汚染や腐食を防ぐためにはこの穴を塞ぐ必要があります。(封孔処理)春日井アルマイト工業では加圧水蒸気封孔を用いており、金属イオンを嫌う半導体関連部品や医療機器、食品衛生関係などデリケートなアルミ製品にも適しています。また、化学薬品を使わないため環境にも優しい封孔方法です。
春日井アルマイトの強み
豊富な処理技術・対応素材の広さ
アルミの表面処理ならほとんどの依頼に対応できる処理ラインナップを持っています。ダイカスト製品、鋳物への処理もお任せ下さい。
1点からの少量多品種
汎用性の高い設備と職人による手作業の組み合わせで、1点~小ロット・多品種の表面処理に対応します。
短納期化
過去に処理実績があるもの、リピート品であれば納期をフレキシブルに対応できます。初物に関しては一度ご相談下さい。
春日井アルマイトからお客様へ3つのお約束
お預かりした製品は丁寧に扱います
アルミニウムは金属の中でも軟らかく、ちょっとしたことでもキズになりやすい素材です。お客様からお預かりした大切な製品を損なわないよう、持ち運ぶ時、処理中、処理後の梱包、配送に至るまで、慎重かつ丁寧に取り扱い、不良コストの削減に貢献します。
不良品ゼロを目指します
当社の技術は細かな膜厚・寸法公差が求められる精密部品などにも採用されています。不良を極力ゼロに近づけ、高品質な表面処理を提供するために、常に社員の技術向上に努め、品質管理や検査体制を万全にしております。
約束の納期を守ります
生産設備体制と、現場でのフレキシブルな対応で納期に柔軟に対応可能ですので、お客様との相談の上で決まった納期は必ず守るように全社で取り組んみます。
納期にお困りの方は、まずは一度ご相談下さい。